ミュオンスピンによる物性研究
ミュオンスピン回転・緩和・共鳴法による物性研究

ミュオンは電子の仲間に属する素粒子(寿命2.2マイクロ秒)であり、質量は陽子の1/9または電子の207倍です。従って、物質中では、正ミュオンは“軽い陽子” として、負ミュオンは“重い電子”として振る舞います。
ミュオンはパイオン崩壊で生成される時、そのスピン(磁石の針)が揃っている(スピン偏極)ので 、ミュオン静止位置での局所場の大きさや揺らぎをスピン扁極度の時間変化として観測できます。ミュオンスピンを測定して物性研究を行う方法は、ミュオンスピン回転、緩和、共鳴法(μSR法)と呼ばれます。ミュオンはスピン偏極をもつ高感度なプロープ(探索子)なので、ゼロ磁場での局所場の研究、スピンをもたない原子核で構成する系の磁性研究、また、広範囲な温度領域での物性測定に利用されます。さらに、μSR法で局所場揺らぎを観測できる時間領域は10-6-10-11秒で、中性子散乱実験(10-10-10-12秒)やNMR(>10-6秒)で観測できない中間周波数領域となっています。
このμSR実験手法を強相関電子系、分子性物質、生体分子等に適用して、それらの電子構造、超伝導性、磁性、分子構造、結晶構造等を調べる研究が進んでいます。
μSR 法: Muon Spin Rotation/Relaxation/Resonance







