イギリスビールについて
イギリスのビールについて
イギリスはビールの国です、と言ったら驚かれるかも知れません。日本では外国のビールと言えば、まずアメリカ(バドワイザー、クアーズ etc)、次にドイツ(ハイネケン)、アイルランド(ギネス)、ベルギー、チェコ、フランスのビールが出て来ますが、イギリスのビールはなかなか手に入りません。ですが、イギリス全土で作られているビールの銘柄は一説には2000種類以上。どんな小さな村にも必ずパブがあり、夕方には地元の人達が集まっていつもビールを飲んでいるのです。イギリスに来たからには、イギリスのビールを飲んで帰らないわけには行きませんよね!
イギリスのビールは日本で主流のいわゆるラガー(lager)タイプ(アメリカ・ヨーロッパ大陸の大部分もそうです)とは違い、エール(ale)と言われるビールが主体となります。このビールは使っている酵母の種類も異なり、一般的なラガービールが下面発酵するのに対し、上面発酵(ビールの水面に酵母が浮いて来て、そこで発酵が行われる) を行って作ります。スタウト(stouts)、ビター(bitter)、バーレーワイン(barley wine)などと呼ばれるビールも、広い意味でのエールの一種です。 こうしてできたビールは、イーストを殺すためのフィルタリングや加熱処理などの過程を経ずに、そのまま樽にいれてパブに出荷され、パブで長い場合には数ヵ月間、樽の中で熟成させ(second fermentation)、そのあとで客に出されることになります。これが cask conditioned と呼ばれるビールで、イギリスのパブで飲む「正しい」ビールです。仕入れたビールを十分な注意を払って保管して熟成させているかどうか、がそのパブの評価を分けることになりますので、たまたま入ったパブで飲んだビールがあまりおいしくなくても、あと1回はそのビールにチャンスを与えてあげてください。パブによってビールの味はまったく違います!
またパブによっては、こうした手間をかけることを嫌い、醸造所であらかじめ熟成後にイーストをフィルタリングや加熱処理などによって殺してあるビール (brewery conditioned keg beer)を置いているところもあります(というか悲しいことにこちらの方が多いです)。どこで飲んでも同じ味が保証されていますが、それぞれのビールが持っている独特の香り、苦み、味を楽しむには、やはり cask conditioned ビールでなくてはいけないと思います。
多くのパブは残念ながら(地)ビールメーカーの系列に入ってしまっており、同じビールメーカーのビールが並んでいることが多いのですが、パブのオーナーは系列とはちがうビールを仕入れて来たりすることもあります。このようないつも置いてあるビールと違う(系列と違う)ビールはゲストビールと呼ばれます。同じパブでも何回かいくと、違うゲストビールが飲めることもありますので、こちらもお見逃しなく!イギリスを訪れたならば、ぜひ、お気に入りのパブを見付けて、日本のビールとは違った味わいを楽しんで帰ってください。
ビールはやはりパブで飲むのがおいしいと思いますが、B&B やホテルの部屋で飲みたいこともありますね。スーパーや酒屋で売られているビールの中には、普通の缶ビールや瓶ビールではなく、パブで出されるビールと同様に、イーストを殺さずにそのままガラス瓶につめたものが bottle conditioned beer として売られているものがあります。こうしたビールは澱が瓶の底に沈んでいることが多く、グラスに注ぐときにこの澱も一緒に注いでしまわないように、十分な注意を払って注がなくてはなりません。ですが、それだけの味わいがあります!もしスーパーや酒屋にいったら、ビールの棚を注意して探してみてください。




